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Tシャツのゆるさがコミュニケーションに役立つ

森永さんにお会いするとき、いつもTシャツに目線がいってしまうんです。いつも「なんですか、それ」と思う絵柄のTシャツだから、思わずそこから会話がはじまります。そういう種類に何かこだわりがあって、いろんな種類のTシャツを持っているんだろうと思って話を聞いていくと、意外な展開に話は進んでいきました。

Tシャツを常に持っている枚数は少ない


望月

森永さんが何かしら記事で取り上げられていると、みんなまず内容よりも着ているTシャツに注目がいきますよね(笑)。 

森永

「また今日も変なの着て!(ニヤニヤ)」みたいな。たまに無地のTシャツを着ていると、「何で無地なんだ」と悲しそうにされて、「ごめんなさい」って何で謝ってるんだろうってことがあります(笑)。

望月

いつも着ていらっしゃるTシャツの絵柄にどうしても目が行くから、この機会にしっかり話が聞きたいと思い、今回はよろしくお願いいたします。

森永

ちなみに、そのTシャツなんですが、私は常時10枚ぐらいしか持ってないです。変なやつすごく沢山持ってそうって言われるんですが、意外に少ないんですよ。

望月

なるほど。常時10枚ぐらいしかないってことは、常にセレクトが代わっている感じなんですか?

森永

そうですね。もうこれは古びたから着られないなとか、もしくは新しく買ったら何かを捨てたり。単なるスペースの問題もあります。

望月

こちらが勝手に持っていたイメージとしては、よく拝見するような面白い絵柄のTシャツをいっぱい持っているのかなと思ってました。でも実はそうではなくて、常に入れ替わりがあるんですね。

森永

そうですね。それは季節を問わず365日ほぼTシャツだから、痛むのも早くて回転していくというのもありますね。吹きさらしのなかに長時間立つことがほぼ無い生活をしているので。基本室内生活だと、例えば冬の方が室内が暑かったりとか。

望月

確かにそうですね。

森永

特に会社はすごく空調効いてますから、冬は暖かくて。そうなると会社の中でも冬は半袖でいることが多くて。そうすると常に1年中半袖のTシャツなんですよ。その上にジャケット着たり、羽織ったりしていることがあるかたちで。冬だとTシャツを着て、その上にパーカーかジャケットを着てコートを着て終わり、ですかね。

会社と家や会社と訪問先を行き来する範囲だったら全然平気なんです。夏は当然暑いからTシャツを着ているから、その結果毎日Tシャツで、1枚1枚の消耗が激しくなって、どんどん入れ替わっていく。

望月

だからどんどん買い換えていくんですね。

森永

周囲の方は、たまに目についた変なTシャツが記憶に残ってて、次に目についたらまた違うやつ……が積み重なると「変なのたくさん持ってる!」っていう印象になるのかなあと。でもその過程で、ローテーションの入れ替わりが発生しているので「前に記憶に残っていたそのTシャツはもう無いです」って感じで(笑)。

Tシャツ選びに何かこだわりがあるわけではない


望月

ローテーションでTシャツを選ぶときには、何かこだわりはあるんですか?

森永

こだわりは実はないんですよね。選ぶ基準が明確にあるかというと……そうではなくて……いや翌々ここで考えてみましたけど、本当に無い気がしてきましたね(笑)。面白いものを探そうと無茶苦茶頑張ってるわけでも全然ないんです。あーでも突き詰めると、似合うかどうかは1ミリも考えてないところはあるかもしれないですね。

「そんなの着られるの森永さんしかいないよ!」って言われたり(笑)、なぜそれを買って着ようと思ったのかをよく突っ込まれるんですけど、これを着たときの自分についてあんまり考えてない気がしますね。変なの着ててどう思われるだろうかとか気にしてないというか。外を歩いていて、色んな人からめっちゃジロジロ見られて、何だろ今日寝癖がひどいのかなとか真剣に悩んでるうちに「あ、これか!Tシャツのせいか!」って後から気づくのはよくあります。

選び方……パッと見て面白かったか、何だろうな? 自分の中で自分らしいの範疇に入ってるかなのかなあ。

望月

傍からから見ると一貫性がありそうに見えるというか。

森永

「これ着てたら面白い」って人の目線を意識してると思うんですけど、それがないかもしれないです。人の目線を意識してるときって、判断の軸が外にあると思うんですよ。

「……好き!」みたいな自分の感情というか、盛り上がりを大事にして選んでる気がします。好きかどうかのフィルターを通ることで振り分けられてて、そこに統一感が生まれてるのかも。ネタTシャツって世の中にいっぱいあるんですけど、それのすべてが面白いから欲しいと思っているかというと、そうでもないんです。ピンとこない変なTシャツも山程あります。

よく「これ、森永さん着てそう」と言われて画像を提示されることがあるんですが、案外打率が低いんですよね。「いや、うーん、これはたしかに面白いけど、でも私は着ない」みたいなことよくあります。でも、好みの話だから説明できない(笑)。

望月

なるほど。ある程度何かしら選んではいるんだけど、別にそこまで考えてるわけでもなく、たまたま揃ったのがこれだったってことですよね。

森永

そうですね。感覚的な感じです。でも傾向としては全体的にゆるいです。気合い入ってない感じです(笑)。気合いも入ってないし、狙いに行きすぎても無いんです。 だから、これ「面白いだろ?」って狙ってきてるなと感じるTシャツは選ばないんですよ。主張激しいのは好まない……

望月

なるほど。

敢えて「ゆるさ」を出すツールとしてのTシャツ

森永

ネタTとして面白いだろうって作られているやつもあるじゃないですか。その日本語のセリフの類いは全然買わないですね。メッセージ性が強すぎるものも手は出さないかな。

望月

確かにそうですよね。あんまり森永さんの着るTシャツでメッセージが出ているものはないですね。

森永

ないです。なぜそれって言うのはありますけどね(笑)。キメキメでカッコいいとか、そういうものもあまりピンと来ない感じです。でも全体的にゆるい感じのものが多いのはあるかもしれないです。

それはもしかしたら、過去の経験がそうさせてるものもあるかもです。随分昔ですけど、インターネット黎明期のころって、デジタル系に詳しい人とそうでない人の格差がすごく激しかったので、仕事上クライアントのデジタル担当者と会話をしていると、営業だけついていけない状況が発生してしまう。そうなると、クライアント担当者はいちいち面倒くさいから、営業を飛ばしてデジタルの担当者と直接話そうとし始めちゃうんですよね。そうして営業飛ばし状態のままに、契約とか条件とかお金の話をされて答えてしまうと業務上問題出てきますよね。

だから、営業を挟まなくてはいけない感じを生み出さなくてはいけなくて……。で、こんな無茶苦茶ゆるい格好しているこいつは、お金とか契約とかの硬い話は出来ない人で、クリエイティブな話しかできないんですと(笑)。ビジネス的なちゃんとした仕事の話は、営業を通さ無いとやばいですよというのをビジュアルで訴える作戦に出て、けっこう緩めの格好をわざとするようにずっとしていたんですよね。そこから十数年以上経って、もはや「そういう人」になってしまったという。

年齢も上がってきたし、ちゃんとした格好をしても別におかしくない、というかむしろしたほうがいいのかもしれないんですが、今のゆるいスタイルでずっと来てしまったので、初対面から畏まってちゃんとした人だと扱われることがもはや慣れてなくてオロオロする状態になってしまった感じがあります。

もちろん損することも多少あるんですよね。前提として、年齢不詳気味という外見問題がある中で、見た目や年齢で相手を判断をして対応を変えるようなタイプの人と当たるときに、年齢もよくわからないしTシャツも緩いしで「何だこいつ信用できるのか」の象徴のような人になってしまう(笑)。そういうタイプの人に対しては、信用されるためのハードルが高いですよね。「俺は専門家連れてこいって言ったんだけど」みたいな雰囲気が、相手の顔からにじみ出ていて「あー」ってなることよくあります。でもそこを乗り越えて信用してもらえると、むしろ仲良くなれるので、結果的には良いんですけど。 

もちろん、Tシャツのゆるさが会話のきっかけや、場を和ませるエッセンスとして聞いたりすることもあります。だから、自分次第だなあとは思っています。

望月

そうですね、確かに。 アイスブレイクにはTシャツのゆるさは良いですね。

森永

で、仕事で許されるのをいいことにそういうのばっかり着ていると、ECサイトにそういう買物履歴が残っていって、ちょいちょいの頻度で変なTシャツが検索結果に浮上してくるわけですよ。

「またゆるいのを見つけてしまった!」みたいな感じで買ってしまい、永遠にそのループが……

望月

だからいろんな流れの結果、その様式が続いてるってことですよね?

森永

そうですね。

少しカタめな場所に、ゆるさを持ち込む意味


望月

Tシャツに思う楽しさってありますか? 

森永

質問の意味合いとは違うかもしれないですが、いま私は勤務している広告会社の仕事って、いわゆる広告を作るだけじゃなくて、コミュニケーション全体の設計にも仕事の領域が広がっています。

その中にはマーケティングのデータ分析がどんどん増えていて、いかに正解するか、いかに成果を出すかという方向に仕事の比重が変わってきているんです。広告の仕事において「賢さ」「ちゃんとしている」を求められる場面が増えている。

そういった業界に求められる仕事の内容の変化によって、コンサルティング業界もコミュニケーションの領域に進出してきています。そういった中で「どう差別化するんだ!」みたいな話も出てくるわけですよね。

よくよく考えてみると、クライアントの担当者が広告会社と仕事をしようとするときって、面白いことや楽しい仕事ができることを期待してるんじゃないかなあって思うんですよ。

コンサルに発注するときはちゃんとした仕事をして欲しいと思って頼むんだけど、広告会社に頼むときってもちろんちゃんとして欲しいのは大前提の上で、それ以上に面白いことや楽しい仕事を一緒にすることへの期待ってあるよなあって。そしたらそれには応えなくちゃいけないし、そここそが大事にすべきところじゃないかなと。コミュニケーションって本来楽しいもののはずなので。

賢く見せる仕事をしていると自分が頭良くなったように思えるし、かっこよくも見えるので、ちょっと気持ちいのも事実なんです。でもぶっちゃけ、どんどんつまんなくなるんですよ。正しいけど面白くない、楽しくない、ってそれ広告会社のやることとしてだめじゃんって。そういうことじゃないよねって。私の中ではカッコつけの優先度が低いんですよ。

業界とか会社に物申す的な(笑)、そこまでメッセージ性を込めてるわけではないんですけど、こういう格好のやつが来たら、ちょっと変なやつがきたとか、打ち合わせが面白くなるかもしれないぞって感じさせる要素になるかもしれないし、そもそも仕事の仲間同士も「面白くしようぜ」って空気感でないかな、みたいな刺激剤として、変なTシャツを着てるのはある気がします。

望月

それは大事な気がしますね。緩さというか、かしこまらずに済むというか。みんなスーツのおじさんたちばっかりだとちょっとしんどいですもんね。

森永

みんなスーツのおじさんばっかりでも辛いし、みんなデザイナーズブランドで洒落ついた感じの感じでいるのも、たぶん辛いんですよ。

望月

確かにそうですね。 ゆるゆる過ぎることも辛いですけど、ゆるゆるに全部なるわけではないですからね。

森永

バリエーションとしてこういうのもあってもいいと思っていて、今たまたま運良く職場ではこの格好が許されているので、続いている感じです。

Tシャツをカスタマイズする


森永

Tシャツに対してよりも、服に対しての意識の話ですが、むかしオードリー・ヘップバーンという素敵な女優がいらっしゃいましたが、どこかの雑誌の方がインタビューしたときに「何であなたはそんなに服が何でも似合うんですか、羨ましい」みたいなことをインタビュアーが聞いたら、ヘップバーンは「私は似合わない服を着てないだけよ」と言ったって話があるんですね。

私はけっこうそれは真理だと思っていて。自分の中では絶対似合わない服は買わないことにしています。それは過去にそこそこの失敗があり、色とか形とか素材で自分に合う合わないが見極められてきたというのもあります。流行ですと推してこられても、着たら似合わない服は無理して好き嫌い関係なく着ない。

それと、Tシャツの首周りとか袖とか裾とかを切り落としていることがよくあるんですよ。それは別に古着風のものが好きとかいう話ではなく、首周りはこれぐらい空いている方が鬱陶しく見えないなとか、袖の感じはこれぐらいの細さ長さのほうがスッキリして見えるな、みたいな調整作業なんです。まさに似合わないものは着ないための調整というか。

切ったり、裏側で縫ったりとそこそこカスタマイズしてたりしますね。なので買ったのに手作業が間に合わってなくて、二ヶ月前に買ったのに未だに着られないものもあったりします(笑)。

望月

意外と裏側にそういうことがあるんですね。

森永

サイズ感がぴったりのものがある場合はそれを買って来ればいいんですけど、なかには「これめっちゃ柄がいいけどサイズがない」Tシャツもあるわけですよね。そしたら逆に男性用のLサイズを買って、ダボっと着るスタイルにするけど、だらしない感じにはならないように袖は縫って細くしたりしてます。こだわりと言ったら、柄よりも形のほうかもしれません。

望月

自分に合わせていくってことですよね。

森永

1回いろんな形の白Tシャツ検討した時期があったんですよ。自分に一番合う白Tシャツの形は何だろうと考えて。で、その一番のTシャツが決まったら、それをプリント屋さんに持っていって、オリジナルの柄でプリントしてもらえばいいやと思ったんですが、それがまあ面倒くさい。柄もそうそう思いつかないし(笑)。

もうこれは手間が上回るなと思い、だったら既存のものを切ったり裏側を縫ったりするほうが楽だ、ってなりました。

<プロフィール>

森永真弓

東京都出身。千葉大学工学部工業意匠学科卒、通信会社を経て広告会社に勤務。主にSNS、コンテンツファン領域を中心とした業務に従事する根っからのオタク。 本業の傍ら、情報系同人誌やグッズの制作などを行っている。

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